鶴岡食文化創造研究所は、
内閣府認定プロジェクト「鶴岡ガストロノミックイノベーション計画」
先端研究・技術開発を推進するために設立された研究機関です。
食科学と食文化を融合する世界初の学術領域「Integrative Gastronomy」を研究し、
食の新たな可能性を追求していきます。

所長メッセージ

所長 冨田 勝
所長

冨田 勝

冨田 勝 略歴
1957年東京生まれ。慶應義塾大学工学部卒業後、米カーネギーメロン大学に留学し、AIを専攻して修士課程(1983年)および博士課程(1985年)を修了。その後、カーネギーメロン大学にて助手、助教授、准教授を歴任し、同大学自動翻訳研究所副所長を務めた。
1990年、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス開設とともに帰国。環境情報学部助教授、教授、学部長を歴任するとともに、生命科学分野へと研究・活動領域を広げ、2001年に慶應義塾大学先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)を開設。22年間にわたり所長を務めた。
その間、「ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社」を創業し、2013年に東証マザーズへ上場。以後、「Spiber社」「サリバテック社」「メタジェン社」など、計8社の慶應鶴岡発ベンチャーの創業を支援し、現在は(一社)鶴岡サイエンスパーク代表理事を務める。

食と心を結ぶ
新たな研究の始まり

「おいしさ」とは、単に味覚(舌)と嗅覚(鼻)だけで感じるものではありません。視覚(盛り付けの美しさ)、聴覚(パリッという音)、触覚(食感)といった五感すべてに基づいています。さらに重要なのは、「だれが、どのように造ったのか」という背景のストーリーや、「正月のおせち」「おふくろの味」に象徴される伝統や個人の記憶、そして「心をこめる」「大地の恵み」「生命の力」「素材の気持ち」といった、科学だけでは説明しきれない精神文化的な要素です。おいしさとは、物理や化学だけでは決して捉えきれない、高次の認知体験なのです。科学と文化は、しばしば相反するものとみなされがちですが、食を理解するためには両者を統合的にとらえる新たな学問領域が求められています。日本には、古くから食の精神性を大切にする文化があります。「いただきます」という一言には、食材をつくった人々だけでなく、大自然そのものへの深い感謝の気持ちが込められています。食は、太陽、水、土といった自然の恵みなくして成り立ちません。人間は、その大自然の前で本質的に無力であることを理解し、謙虚に感謝する──そこにこそ、日本の食文化の原点があります。こうした精神性は、海外の人々にも十分に伝わる普遍的な価値であり、世界の人々から尊敬される源泉にもなりえます。食科学と食文化を一体として世界へ発信することで、日本食品のブランド価値を高め、国際競争力の強化へとつなげることもできるでしょう。UNESCO認定を、日本の食文化の未来のために活かしていく。その先にこそ、鶴岡が日本中から愛され、日本が世界中から尊敬される未来があるのです。

副所長 フィリップ・ブリッツ・マッキビン
副所長

フィリップ・
ブリッツ・マッキビン

Profile
マックマスター大学(カナダ)教授
慶應義塾大学先端生命科学研究所(IAB) 特任教授
メタボローム解析・応用研究の世界的権威

副所長 村山 秀樹
副所長

村山 秀樹

Profile
山形大学 副学長
2023年度まで農学部長を務め、アグリフードシステム先端研究センター(YAAS)で「食の10次産業化」を推進

科学と文化を融合させた新学際領域Integrative Gastronomy

科学 Science & Technology

  • ・未知への探究、新しい発見や技術の創造
  • ・定量分析、客観性、効率性、再現性、最適化 etc.
  • 1自然科学(真理の探究)

    食材と身体に対する科学的理解

  • 2工学・テクノロジー
    (応用と創造)

    食の具体的な技術・製品・プロセス

文化 Humanities

  • ・人間の生活と価値観、
    伝統・習慣・物語の継承(過去と現在)
  • ・数字では表せない物語
  • 3社会科学(制度と構造)

    食を取り巻く経済・流通・社会行動

  • 4人文科学(意味と価値)

    食の文化的・精神的意義

研究員の紹介

山形大学

  • 山形大学 教授 渡部 徹
    山形大学 教授

    渡部 徹

    分野:水環境工学、環境リスク評価
    研究内容:下水道由来肥料・飼料の利用が動植物代謝・食品成分・腸内薬剤耐性へ与える影響評価。

  • 山形大学 准教授 網干 貴子
    山形大学 准教授

    網干 貴子

    分野:生物有機化学
    研究内容:食品の香気成分の高度化測定手法の開発。

  • 山形大学 准教授 池田 和生
    山形大学 准教授

    池田 和生

    分野:園芸学(果樹)
    研究内容:果樹(特にサンカオウトウ・セイヨウナシ等)の機能性成分評価・加工変動解析・育種効率化および在来作物の保存・普及研究。

  • 山形大学 准教授 叶 奈緒美
    山形大学 准教授

    叶 奈緒美

    分野:食品機能学
    研究内容:地域食材の機能性成分分析と健康機能の評価。

  • 山形大学 助教 木村 ゆり
    山形大学 助教

    木村 ゆり

    分野:植物生化学
    研究内容:環境条件に応じた植物細胞壁特性と関連代謝物の解析。

  • 山形大学 准教授 小林 翔
    山形大学 准教授

    小林 翔

    分野:食品栄養科学
    研究内容:食品抽出物からフェロトーシス抑制成分の探索と活性成分同定。

  • 山形大学 准教授 佐藤 智
    山形大学 准教授

    佐藤 智

    分野:ヤマダイミズアブ学、応用生態学
    研究内容:ミズアブを軸にした肥料・飼料・養鶏・製薬・熟成米等の地域循環型食料・畜産・観光モデルの構築。

  • 山形大学 教授 塩野 義人
    山形大学 教授

    塩野 義人

    分野:天然物有機化学
    研究内容:根圏微生物による根分泌物変化・共生代謝機構の解明と有効成分のメタボローム解析(ニームケーキ等含む)。

  • 山形大学 准教授 鍋島 朋之
    山形大学 准教授

    鍋島 朋之

    分野:野菜園芸学
    研究内容:クチクラ物性変動が代謝産物(脂質・フェノール類等)に与える影響解明および果実表面の艶の成分解析。

  • 山形大学 教授 星野 友紀
    山形大学 教授

    星野 友紀

    分野:作物育種学
    研究内容:ダダチャマメの香りを指標としたマルチオミクス解析と育種応用。

  • 山形大学 教授 堀口 健一
    山形大学 教授

    堀口 健一

    分野:家畜管理学
    研究内容:未利用資源を用いた納豆菌培養基材の探索とAIによる家畜飼養管理の高度化。

  • 山形大学 准教授 宮城 敦子
    山形大学 准教授

    宮城 敦子

    分野:植物生理、代謝生化学
    研究内容:抽出法・質量分析計の違いがメタボローム解析結果に与える影響の可視化。

慶応義塾大学
先端生命科学研究所

  • 慶應義塾大学先端生命科学研究所 教授 荒川 和晴
    慶應義塾大学先端生命科学研究所
    教授

    荒川 和晴

    分野:バイオインフォマティクス、システム生物学
    研究内容:香り成分×メタボローム解析による日本酒テイスティングノーツ自動生成システムの開発。

  • 慶應義塾大学先端生命科学研究所 特任助教授 小倉 立己
    慶應義塾大学先端生命科学研究所
    特任助教授

    小倉 立己

    分野:分析化学、メタボロミクス、食品科学
    研究内容:NMRを用いた土壌・植物由来有機物の高精度分析法の開発。

  • 慶應義塾大学先端生命科学研究所 准教授 河野 暢明
    慶應義塾大学先端生命科学研究所
    准教授

    河野 暢明

    分野:バイオインフォマティクス、システム生物学、合成生物学
    研究内容:微生物による食料・素材生産のためのゲノム設計基盤の構築。

  • 慶應義塾大学先端生命科学研究所
教授 杉本 昌弘
    慶應義塾大学先端生命科学研究所
    教授

    杉本 昌弘

    分野:メタボロミクス、バイオインフォマティクス
    研究内容:農作物サンプルのメタ情報とメタボロームを統合管理するデータプラットフォームの構築。

  • 慶應義塾大学先端生命科学研究所 准教授 平山 明由
    慶應義塾大学先端生命科学研究所
    准教授

    平山 明由

    分野:メタボロミクス、分析化学
    研究内容:高感度メタボローム解析による機能性代謝物の探索と定量技術の構築。

  • 慶應義塾大学先端生命科学研究所 特任教授 福田 真嗣
    慶應義塾大学先端生命科学研究所
    特任教授

    福田 真嗣

    分野:腸内デザイン学、統合オミクス科学
    研究内容:腸内環境を介した食品の健康効果と有機廃棄物の微生物的再利用に関する統合研究。

  • 慶應義塾大学先端生命科学研究所 特任教授 永野 惇
    慶應義塾大学先端生命科学研究所
    特任教授

    永野 惇

    分野:植物生理学、野外オミクス
    研究内容:植物の環境応答制御のためのトランスクリプトーム解析・ゲノム編集技術の開発。

  • 慶應義塾大学先端生命科学研究所 特任講師 吉川 治孝
    慶應義塾大学先端生命科学研究所
    特任講師

    吉川 治孝

    分野:プロテオミクス、分子生物学
    研究内容:食品の風味・品質を規定する酵素群のプロテオーム定量技術の確立。

  • 慶應義塾大学先端生命科学研究所 特任講師 湯澤 賢
    慶應義塾大学先端生命科学研究所
    特任講師

    湯澤 賢

    分野:合成生物学、生化学、ケミカルバイオロジー
    研究内容:ブドウ由来天然酵母の単離と白ワイン醸造への応用。

鶴岡食文化創造
コンソーシアム

鶴岡食文化創造研究所と連携して新たな食の創造を目指すコンソーアシムです。
全国の民間企業との共同研究を推進していくとともに、
食の未来をつくるプレイヤーたちがつながるプラットフォームにしていきます。

参画企業

(2025年9月現在)

  • 株式会社 伊藤園
  • 正田醤油 株式会社
  • 江崎グリコ 株式会社
  • 日清食品ホールディングス 株式会社
  • 日本ハム 株式会社
  • 亀田製菓 株式会社
  • ハウス食品グループ本社 株式会社
  • カルビー 株式会社
  • ハナマルキ 株式会社
  • 菊正宗酒造 株式会社
  • フジッコ 株式会社
  • キッコーマン 株式会社
  • 株式会社ブルボン
  • キユーピー株式会社
  • 株式会社 Mizkan Holdings
  • 森永製菓 株式会社
  • 敷島製パン 株式会社
  • ヤマキ株式会社
  • (他2社)